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CUTIE AND THE BOXER [映画/レビュー]

ニューヨーク在住の現代美術家、篠原有司男さんと妻、乃り子さんの40年の歩みを描いた映画、『CUTIE AND THE BOXER』をみてきました。篠原有司男さんは“ギュウちゃん”とも言われている、日本の前衛芸術を牽引したアーティストです。両手につけた布に絵の具をつけ、ボクシングの要領で殴りつけるように絵を描く“ボクシング・ペインティング”で有名ですね。

私は先日、偶然テレビで篠原夫妻の番組を見かけて興味を持ちました。調べたら、東京で展覧会と全国で映画上映がされているようでしたので、出かけてみました。

内容はお二人のニューヨークのご自宅を中心に、生活密着型のドキュメンタリー。でも、単なる自伝的なドキュメンタリーではありませんでした。妻の乃り子さんの視点から、彼女の描く“CUTIE”というキャラクターがアニメーション画像となって映画のストーリーを紡いでいきます。繊細さと大胆さとユーモアが融合したような乃り子さんの作品は、ギュウちゃんの奔放でダイナミックな作品とは印象が全然違うのですが、アーティストとしての純粋さや情熱は同じなんですよね。そこが彼らがいっしょにいる理由であり、苦悩するところでもあるのでしょうけれど。

とにかく、乃り子さんがステキ(笑)。60歳にして、あの瑞々しさ!大人の凛として感じも憧れますし、すごくファッションセンスがいいんですよね。豪華なブランド服を着こなすというおしゃれではなく、ご自分に似合うものを熟知しているんです。あんなふうなセンスを身につけられたらいいな。

アートファンだけでなく、楽しんでいただける映画かなって思います。
あー、来年は映画ももう少しみたいな☆


■CUTIE AND THE BOXER 公式HP:http://www.cutieandboxer.com/

渋谷パルコでの展覧会:篠原有司男・篠原乃り子二人展 http://shibuya.parco.jp/page2/


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小坂本町一丁目映画祭vol.7 開催 [映画/レビュー]

私が暮らしている愛知県豊田市で、自主制作映画をつくっているM.I.F.が主催する自主制作の映画祭が開催されます。小坂本町一丁目映画祭vol.7 (http://kozahon1.jpn.org/ff/07/)というユニークな映画祭ですが、もう7回目なんですね。

その映画祭に出品される作品の1つ、M.I.F.代表でもある清水雅人監督の『少し楽しい』について、レビューを書きましたので、ご高覧下さいませ。映画レビューはこれで生涯3本目。清水監督の前作『箱』(2007)と、足立正生監督の『幽閉者-テロリスト-』。異色な組み合わせですね(笑)。

 

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豊田活動写真会 『箱』 [映画/レビュー]

★2007年2月18日(日)
★『小坂本町一丁目映画祭Vol.5』 /豊田活動写真会『箱』

「自主制作映画」というものには、実はふれたことがなかった。ふれたことがないクセに、「ヘンな先入観」だけはしっかりあった。「…ジコシュチョウ全開だったら、どうしよう?!」そんなことや「…カメラワークぐらんぐらんで酔ったらどうしよう?!」とか、ケッコウヒドイ想像とかしていた私だった。…が、しかし。久しぶりに再会した映画人に誘われて、「…コワイモノミタサ」+「真実を自分の目で確かめてやろう!」という意気込みで出かけた日曜の夕方。この想像はゴロリとくつがえった。

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 『箱は、豊田市を拠点に活動を展開する豊田活動写真会制作による50分のショートストーリーである。この小さな作品は『小坂本町一丁目映画祭Vol.5』という映画祭りで上演されたのだが、この『小坂本町一丁目映画祭Vol.5』というのがまず、オモシロイ。
 「豊田及びその周辺で製作された自主映画の上映をコンセプトに、2002年より今までに5回開催している豊田活動写真会主催の映画祭だ。-映画祭のホームページより-」と、地元を拠点に活動する映画人たちが集まって自主制作した映画を1日かけて、それこそ手作りで上演する。会場ではトン汁がふるまわれたり、イベント終了後には抽選会を行ったりで、まったくこの企画が「祭り!」として楽しまれていて、参加している方にも気負いがない。「見てくれよ、オレの傑作!芸術だろ?!」といった押し付けではなく、「楽しんでつくった作品なんだけど、いっしょにどう?」という親しみやすさがある。参加9団体で(岐阜や東京からゲスト作品として迎えた団体も含んで)観客動員数は330名、昨年の2倍の動員数だという。開催から5年、気負いがなく楽しい雰囲気が支持されていること、着実に文化として根付き始めていることなどが、この動員数の証になっているのではないだろうか。「映画って、なんだっけ?」そんな素朴な思いに、こうしたイベントはやさしく答えてくれている気がする。

 …ア、前置きが長くなってシマッタ。

 さて、『箱』。これが、なかなか「…グサッ!」と来る作品だった。ストーリーは「1つの箱をめぐって繰り広げられる30代女性の心の旅を描くリアルなラブストーリー」なのだが、1.自主制作ならではの魅力と、2.ストーリー発想の魅力、3.映画の持つ可能性を味わうことの出来る作品に仕上がっていたと思う。私なりに、この3つの魅力について述べてみる。

 1.豊田市という街は、自動車産業の街として全国的に有名であるが、実は自然環境や独自の土着的な文化のにおいが未だに残っている場所でもある。『箱』の作品中、主人公・杉本みさえ(近藤美由紀)の実家には、三河地方でみかける“デッカイ仏壇”がドンと鎮座する居間がある。2間続きの畳の部屋で、コタツに入る母(柴田槙子)・妹(松林佳奈)とのシーンが懐かしさと、新たな物語が展開するための重要な“チョット前”として機能している。自分の知っている街が、スクリーンという異次元に映し出される不思議さ。親しい人が別人になって登場するドコカ落ち着かないワクワク感…それらが見慣れた風景の中に見落としていた街の魅力を再発見させ、新たな愛着へとつなげていく。地元で制作される映画の最大の魅力がここにあるし、全国に配給される映画にはない深みがあるのではないだろうか。

 2.しかしながら、この作品の最も魅力的なのは『箱』という、何も入っていないカラッポの小さな紙の箱をめぐる人々の奔走であろう。突然退職する若い男・谷沢 卓(金森正樹)に渡される小さな白い箱。「…預かって欲しい。でも、開けないで…。」このただの箱が物語の中心になって、人々の日々を映し出す。ありふれた日常の中に入り込んだカラッポの箱は、みさえの眠っていた“恋心”に火をつけ、同僚・中野美奈子(宮嶋麻衣)やみさこの夫(山田幸治)の嫉妬を燃え上がらせる…。特にみさえの部屋の中で箱をみつけたときの夫のコメントが、映画ならではのオモシロサを輝かせる。「…いつから、そんなに(谷沢 卓)好きなんだ?!」と詰め寄るのだが、「なぜ箱からそんなことが分かるの!?」という不条理がマカリ通る気持ちよさ(笑)。
 隠されたものへのニンゲンの反応というか、隠された本能というか、そういったビミョウなラインを日常の中で描き出した物語りだった。ただ欲を言えば、ラストシーンでみさこと夫が交わす会話にもう一工夫欲しいところだ。「…なんでも、正面から向き合わなくちゃね。」と、何もないカラッポな幻想に振り回されたみさこの夫への再帰へのセリフだが、あともうヒトヒネリ!ビミョウに丹念に描かれた流れの最後としては、少々ストレートな印象も?個人的なコノミの問題かも知れないが。

3.最後に、映画の持つ可能性と『箱』について。作品の中、豊田市の公共の建物がストーリーの中のオフィスとして登場したが、これは地元の男女共同参画事業のための施設だそうで、そこの協力を得たという。また、ストーリーも完成までに多くの人のアドバイスから何度も練り直されたらしい。そして、物語のキーポイントとしてチョイ役で登場したオバアチャンの魅力(笑)!人生を重ねた方の存在の魅力がにじんでいたし、このオバアチャンを見に来た家族の方々もいらっしゃるだろう。こうした作品づくりが、日常の生活の中で表現活動に “関わる”というきっかけを与えていると考えると、自主制作映画の持つ可能性は大きいといえないだろうか?もちろん、作り手たちの“楽しい時間”としての無限の可能性も。

自主制作映画、目からウロコな出会いを経験シテシマッタな。


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