So-net無料ブログ作成
検索選択

白河直子ソロダンス/エタニティ [ダンス/プレビュー]

私がコンテンポラリーダンスと出会う、少し前。H・アール・カオスが愛知県芸術劇場で伝説的ともいえる超大作を上演しています(2002年)。オーケストラ演奏と合唱による『カルミナ・ブラーナ』です。私はこの作品をライブで見られなかったことが本当に悔しかったんですよ(笑)。ダンス評論に携わる人間として、あの作品を見逃してしまったのは大きな損失だとさえ思ったくらい。そのあと、彼女たちの公演があるのを待ちに待って、世田谷パブリックシアターで初めてライブで作品を拝見したときの感激はとても大きなものでした。

2008年にダンスオペラのシリーズで『神曲』の上演の際には白河直子さんのワークショップにも参加し、舞台上の激しさとはまったく異なる印象の、優しく穏やかな彼女の指導に驚かされたりもしました。舞台に立つ方は、なぜかこんなふうにギャップがある方が多いですね。そこがたまらなかったりする(笑)。

私が拝見してきたH・アール・カオスの舞台では、天と地を激しく往来する感覚に襲われました。両極端の感情、両極端の状況、それらを激しい速度で行き来することで生まれるあらゆる情動と感傷・・その奥に続く闇のような静寂、、、それは見るものを揺さぶり、深淵な世界に引き込んでしまう力を持っていました。振付家・大島早紀子さんの独自の美学といってしまうのはカンタンですが、美しさと恐ろしさのようなものを同時に感じますね。

今回の『エタニティ』は6年ぶりの新作となるとか。会場は愛知県芸術劇場の小ホールで、ソロダンス公演。これまでは大劇場で複数のダンサーを配しての大規模な作品が多かった印象が強いので、いったいどんな作品になっているのか大変興味深く感じます。公演のフライヤーには「伝説の復活、新たな神話の誕生」とありますが、まさにそんな気がしますね。

2016年という年に、どんなH・アール・カオスの世界が広がるのでしょうか。この目で見届けたいと思います。
(めっちゃ気合入ります~☆)


■日時:2016年7月1日(金)-3日(日)

■場所:愛知県芸術劇場小ホール

★詳細:http://www.aac.pref.aichi.jp/syusai/eternity/index.html


*2008年に執筆させて頂いた記事を下記にご紹介します。

未来へ行くための悪夢と浄化。

 『神曲』は13~14世紀の詩人ダンテによって書かれた長編叙事詩であるが、生きた人間であるダンテが地獄・煉獄を巡って天国へと至るという物語になっている。H・アール・カオスの振付家の大島早紀子は『神曲』を現代に引きよせ、ダンスオペラ(愛知県芸術劇場のシリーズ作品)として再構築した。

 古典の世界で暗い森を覆っていた木立は、現代では言葉(情報)の柱となって乱立し、悪夢はテレビモニターの中でくり返される…私たちの日常が地獄と化したような演出だ。ワイヤーで宙づりになった女たちはネットワーク社会を象徴しているのかも知れない。厳密に振付けられたムーブメント、ストイックなまでに追及された世界観はこの世ならぬ空間を舞台に創造。和栗由紀夫、群青、辻本知彦の起用、ラストシーンでの佐々木典子と少年合唱団の声が作品をより重層的なものにしていた。

 現代に広がる情報氾濫の地獄も、子どもたちによって希望へ変わるように思われた。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
メッセージを送る
人気ブログランキングへ人気ブログランキングへ