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旅日記11-Last- [旅日記(ヒトリ主義Night)]

先週末、『ヒトリ主義Night2011』を終えることが出来ました。今回は残念なことに、出演者のお一人が急病のために出演出来ないという出来事も経験しましたが、今までにはない、ずっしりとした手ごたえを得ることも出来たと感じています。いよいよ来年は節目の5周年。今回得た手ごたえと反省を活かして、また新たな季節を迎えたいと思います。

拙い乱筆になりますが、期間中のレポートをやや私的な感覚で綴りました(各作品のレビューはあえて書いていません)。ご笑覧頂ければ幸いです・・・でも何だか熱々の文章なので、恥ずかしいです(笑)。


ヒトリ主義Night2011:http://hitorisyuginight.chicappa.jp/index.php?FrontPage


子どもの頃は、落ち着きがなくていつも怪我をしてばかりだった。5歳のときには、近所の公園で友達とケンカ、怒りにまかせて公道に飛び出し、交通事故に遭って右足を骨折して入院していたくらいだ。両親は社会人になろうとしている私を送り出すとき、いつになく心配していたっけ。大人になった今でも、身内の目から見れば私が他者をリードして何か物事を進めていくなんて、想像もつかないみたいだ。それくらい、本来の私はマイペースなニンゲンらしい。


<第1日目>

本来のマイペースさが、ときに人に迷惑になることを重々承知していながら、いつもくり返してしまうのが時間を守れないこと。はぁ、まったく溜息しか出てこない。名古屋駅でダンサーの佐藤さん、ミュージシャンでペインターの赤阪さん、アシスタントをしてくれるさとみちゃんと待ち合わせをしていたのだけど、大幅に遅刻。本当にごめんなさい。


予定より遅れて劇場入り。数か月ぶりのヴィオパーク劇場に、これからはじまる怒涛の三日間を思い、ちょっと身震いする。この企画をスタートさせて4年、いつもドキドキさせられている。これ、比喩じゃなくて本当にそう(笑)。心臓が早鐘みたいに脈打つんだけど、この状態が期間中ずっと続く(実は、企画が終わったあともしばらくこの状態が続いてしまう)。まるで恋愛しているみたいな感覚になっている(笑)。

今回は、佐藤さん、赤阪さん、pakistan brainさんとのコラボで、ちょっと大掛かりな美術セットの仕込みをしなくてはいけない。舞台全体を白の不織布や帆布で覆うのだけど、どのようにセッティングするかは現場入りしてからが勝負。必要に応じて、硬い生地の帆布を縫い合わせるような作業も発生しそうだった。限られた時間の中で、さあ、どうするか・・・。

試行錯誤の上、美術セットはほぼパーフェクトの出来栄えに仕上がった。1つ1つアイデアを重ねながら、思い描いた以上のセットが生まれた瞬間、それは「やった!」っていう言葉以外のなにものでもなかった。時計を見ると午後10時を過ぎている。宿にチェックインしないと、泊めてもらえない時間!劇場に泊まる北島さん、地元出身の負けズ犬さん、照明の木村さんにあいさつをして劇場をあとにする。バタバタと慌ただしい1日目。宿は劇場から10キロほどの浅間温泉の小さな宿。せめて疲れが少しでもとれるようにと温泉宿を手配した。

佐藤さん、さとみちゃん、私とで宿にチェックイン。怒涛の1日目をふり返りながら、宿の温泉へ・・・。入り組んだつくり(消防法は大丈夫なのかな?!)、驚くほど小さな浴室、やたらと熱いお湯、そんなものにきゃあきゃあ言いながらも楽しく過ごす。松本での企画は、こうした自然の恵みが陰で支えてくれる気がして好きなんだよね。


<2日目>

朝起きて、宿で朝食。温泉で炊いたという白ご飯がおいしい!キンチョウがはじまってて、あんまり食事も喉を通らないけど、とにかくエネルギーチャージ!私は食事を済ませると、松本駅までシアター・ザ・フェンスのかばまるさんをお迎えに。深夜バスで早朝に松本入りしている。クルマを走らせながら、ひとりの時間を味わった。

駅でピックアップしたかばまるさんを乗せたまま宿へ戻る。そこで佐藤さんとさとみちゃんもピックアップして、4人で劇場へ。関係者にあいさつをして、いよいよ本番の日を迎えることを実感した。小さなボードに今日の流れを書きだす。“16:00開演”・・・自然と気合が入る。

10:30頃、神奈川から勇希堂主人さんが到着。11:00には同じく神奈川から山本純生さんが到着。到着した順番にリハーサルをしていく。遠方からの出演者が多く、今回は特に前の日に入れる人が少なかったので、リハーサルのタイムスケジュールはかなりハードになってしまった。さとみちゃんにアシストをしてもらいながら、当日パンフレットや作品タイトルリストなどの準備をする。時間は止まらない。

15:30、出演者や関係者に集合していただいて、最終的な打ち合わせ。出演順をコールしながら、段取りをご説明。たくさんの人を前に話す自分自身の心臓のドキドキも、ココがピークとばかりに早鐘のように落ち着かない。声がときどき上滑りになるような感覚に戸惑いながらも、「よろしくお願します!」と頭を下げた。もう逃げられない。あとは、本番を見守ることしか出来なくなる。

16:05、開幕。急病で出演出来なかったpakistan brainさんを欠いた状態ではじまった佐藤小夜子さんと赤阪正敏さんのパフォーマンスを皮きりに、次々と8組のアーティストが作品を上演していった。どれも素晴らしい内容だったと思う。

でも、1日目を終えると、私にとっては大いに反省しなければならない状況が山積していることに気付いた。照明の調整、美術セットの転換に予想以上の時間がかかっていること、出演者の時間もオーバーしがちであることなどが明確になったのだ。リハーサルを通して見ていなかったことが原因。特に演目ごとに照明器具を調整しなければならない状況になっていることが把握できていないのは致命的だった。すごく落ち込んだ。主催者として観客にも、出演者にも、照明さん・音響さんにも申し訳ないと思った。劇場での中打上げのあと、照明さん、音響さんと今日のふり返りと明日の段取りの組み直しを話し合った。これまで苦言を呈すことのなかった照明さんの口からはじめて厳しい言葉をもらった。悔しさと、申し訳なさでいっぱいだった。宿に戻ってから、さとみちゃんと明け方まで話し込んだ。少し眠ったのだけど、目が開くと心臓の早鐘が止まらず眠れない。あきらめて、温泉に浸かることにした。ほのかに香る温泉の匂いを嗅ぎながら、何とか心身を落ち着かせる。浴室の天井をぼんやりと眺めながら、自分自身の弱さと闘う自分にエールを送った。


<3日目>

ひとりでいる方が気楽だと感じる私が、このイベントになると四六時中、他者と過ごしている。それもかなり密度濃く。だけど、きっとこの時間が自分にとって必要なんだろうって思う。高い密度の中でしか見えないものや、生まれえないものがあると感じてからは、この時間を楽しむことが出来るようになった。責任をとるという覚悟や、みんなに楽しんでもらうための気遣いや、何より自分だけでは出来ないことがカタチになっていくときのダイナミックなエネルギーに触れたことは、とても大きな財産だと思う。

イベントの最終日は、もう楽しむだけだ。昨日組み直した出演順を発表し、出演者のみなさんや関係者の方々に感謝の気持ちを伝える。ここまでくれば、あとは信じて幕を開けるしかない。

組み直した出演順が功を奏して、それぞれの作品が気持ちよく流れていく。いよいよ場にイリュージョンがかかっていくのを感じた。あるべき流れに作品が乗せられたときのスピード感や充実感は例えようがないものになる。昨年の公演から、この場にはそうしたことが生まれるようになってきていると感じる。場と作品が共鳴し、ラストへ向かって流れていく大風のように進むとき、企画全体が熱を帯びていくのだ。

最後の勇希堂主人さんの舞踏作品の上演が終わると、場内には熱い拍手が沸き起こっていた。不思議だったのは、彼が登場したときの場内の感覚だ。初日にはなかった、ある特別な温かさがそこには流れていたと感じる。その温かさに力を得たように、彼の作品は初日を超える完成度を見せていた。あの温かさの中で踊ることは、きっとダンサーとして至福の状態なのではないか、そんな風にも思えた。あるべき流れに作品たちが乗り、その集大成としてラストに集約していった、そんな気がした。最後の観客の大きな拍手は、勇希堂主人さんへの拍手であると同時に、出演したすべてのアーティストへの拍手でもあるように思われた。主催者として、最高に幸せだと感じる瞬間だった気がする。

あっという間に本番が終わり、私は佐藤さんと森本さんをクルマに乗せ、ひと足先に松本駅まで送る。車内で雑談しながら、このイベントをざっとふり返ってみた。反省や課題もたくさん見えた。でも、やっぱりやって良かった・・・そんなことを、まだ興奮から冷めない頭で話していた。

その後、再び劇場に戻り、諸々手続き。劇場オーナーのひこさんに感謝の気持ちをお伝えする。この場がなければ、この企画は成立しない。いろいろなワガママを許容し、食事の支度から細やかな気遣いから、彼女の支えがあればこその3日間だった・・・なのに、最後はひこさんから「お疲れさま!」って、ワインをプレゼントされてしまった。うれしくて涙が出たよ(照笑)。やさしくされると、涙が止まらなくなるような状態に自分がいることに気付かされた。人はうれしくても泣くんだね。

劇場を後にして、松本駅前で打上げ。イベントをふり返りながら、来年のことなども話しこんだ。出演者のみんなの笑顔がまぶしい。舞踏を踊った人は、まだ首の辺りに白い顔料が残っていたりするんだけど(笑)、それもまた楽しい。マイペース過ぎた子どもが、大人になってみんなと同じペースで何かをつくりあげることが出来るようになるなんて、思いもしなかった。ひとりの方が気楽だと思ってきたけど、人と人とがつながって、みんなで生きていくことの大きさやうれしさみたいなものを感じる。うれしいなって思う。


支え、支えられて、ひとりよりみんなと。
今年も、生きていく力を与えられたイベントだった。
あと何年続けていけるか分からないけど、ありったけの力でつくっていきたい。
仲間が、いてくれる限りはね。
さあ、また歩き出そう。


++++++++++++++++++++++++++++


2011年のシーズンも無事終了しました。レポートはちょっと熱苦しいくらいに主観的なものになってしまい、やや反省もしています(笑)。やはりこのイベントに関してはレビューを書くことが出来ないのですが、それは後日イベントサイトの写真集にUPする写真たちから雰囲気を感じていただければと思っています。評論活動をしているのに、どうしても言葉に出来ないものもあるんですよね。そんな矛盾を抱えつつ、また来年に向けて歩き出そうと思います。乱文に最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。


 感謝をこめて。

 2011年10月22日 Arts&Theatre→Literacy 亀田恵子

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