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afterimage 4th PINCH 『冗談じゃない、俺たちにはまだメタンハイドレートガスがある』 [ダンス/レビュー]

・・・所属している研究会に提出したのはちょうど1年前になるでしょうか。「もう少し動きの記述を追記するように。」そう指摘を受けていたにも関わらず、とうとう出来なかった(涙)。あきらめて、ここに掲載します。afterimageさん、遅くなってしまってごめんなさい。。


鑑賞日:2008年8月20日(日)14:00- 
場所:愛知県芸術劇場小ホール


afterimagは愛知県を拠点に活動する平均年齢22歳という非常に「若い」ダンサーが多いカンパニーである。若さの持つイメージといえば「突き進んでいく勢い」や「縛られない自由さ」があると同時に「荒さ」「未成熟さ」といったものが伴う。若さの魅力とは、これらの葛藤の結果「勢い」「自由」が勝利したときなのかも知れない。しかし、afterimageの活動履歴を見てみると、平均年齢の若さは単なる事実であるに過ぎず、活動自体はじっくりと地道に熟成されているということに気づく。

結成は2003年。服部は積極的に東京のダンスイベントに参加するなどして研鑽を積んでいる。Afterimageとしての本公演は2006年(afterimage 1st PINCH『だまれ、蕎麦が伸びる』atアスナルホール:名古屋)からスタート。ほぼ年に1度のペースで本公演を行っている。会場も2007年からは愛知県芸術劇場にほぼ固定。パブリックな認知度も上昇してきているといえるだろう。

振付家(服部哲郎)と演出家(トリエユウスケ)の2トップを配置するという彼らの創造スタイルは特徴的だが、その個性は作品にも顕著に表れている。位相幾何学的に変容していくムーブメントそのものを提示するシーンと、演劇的な(多くがパロディやジョークといった笑いの要素を含む)シーンが多層になって構成されている。ダンサーが舞台の袖から躍り出て、突っ切っていくスピード感あふれる演出は前作(afterimage 3rd PINCH『俺はお前の流暢なスペイン語に興味は無い』‘07年)にも頻出していたが、今回はその頻度は適度なものに編集されていたと思う。ダンサーの身体能力も成長を遂げたと感じたが、それは作品中盤で全員がシャツを脱ぎ、あらわになった上半身からも伺えた。彼らの中の若さが、チラリと見えた瞬間かも知れない。
彼らの作品の大きな特徴の1つである「パロディ」は一般的に軽いもの=オリジナリティの希薄な模倣と見なされるように思うが、対象の核心を掴んでいなければパロディは成立しない。例えば一青窈の『ハナミズキ』を使ったシーンでは曲の前半、ダンサーたちは歌詞と関連のない動きでストーリーを展開していく。なぜそうなったのかは不明だが、細身のダンサー5、6名が床に横たわる。脇には3名のダンサーが何やら話している姿は日常の動きそのものだが、曲のサビ部分「-どうぞゆきなさい お先にゆきなさい-」をきっかけに、3名の中でも体格の良いダンサーが他のメンバーに先立ってその上を渡りはじめると、シーンは日常から変換されて彼らの世界にスイッチする。渡られるメンバーたちは一様に恐々となり、その様子が笑いを誘うのだ。横たわったメンバーたちを遠慮なく踏んで(そう見せる)渡っていく晴れやかな表情と、踏まれてのた打ち回っているメンバーの表情の対比が更なる笑いを引き起こす。ハナミズキの曲の中に込められた謙虚な愛を逆照射によって笑いに変換してしまうセンスは、単なる模倣ではなく皮肉さによって新たなシーンを創造しているといえるだろう。

若いメンバーによって創造される作品世界は、その豊富なエネルギーや勢いだけにとどまらず誠実な想いによって成長を続けている。今後もキーワードとなるのは、服部とトリエの仕事のバランスだろう。抽象的なシーンに特化しても、演劇的なシーンが勝ってしまっても、このカンパニーの個性は薄れてしまう。両者の凌ぎあいが見せる心地よい緊張感が魅力。2トップに率いられながら、どこまでダンサーたちが個々の能力に磨きをかけていけるのか。afterimageを検証していく楽しみは大きい。


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